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【韓国】ハロウィンで雑踏事故！群衆雪崩で154人死亡・149人負傷…事故の原因や心臓マッサージの方法などまとめ

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年の瀬も見えはじめ、10月も終わる頃。世間がハロウィンでにぎわうなか、衝撃的なニュースが飛び込んできました。

韓国で多くの人が心肺停止に…。一体に何があったのでしょうか。詳しく調べてみました。

Contents
  1. 立ったまま抜け出せず…韓国ソウルで約300人の死傷者を出した群衆雪崩事故の恐ろしさとは
    1. ハロウィンの悪夢！群衆雪崩が招いた死傷者300人
    2. 事故の原因はハロウィンと有名人？阿鼻叫喚の現場で何が起きていたのか
    3. 韓国だけじゃない？国内外でも起きている群衆雪崩事故
    4. 今回の事故への声や意見
  2. 覚えておきたい正しい心臓マッサージの方法
  3. まとめ

立ったまま抜け出せず…韓国ソウルで約300人の死傷者を出した群衆雪崩事故の恐ろしさとは

数えきれないほどの群衆コロナ禍の折、ようやく行動規制も緩み、心置きなく楽しんでいたはずのイベントは、たった一夜で凄惨な悪夢に姿を変えました。

ハロウィンの夜、事故現場では何が起きていたのか？一緒にみていきましょう。

ハロウィンの悪夢！群衆雪崩が招いた死傷者300人

10月29日の22時9分頃、場所は韓国の首都ソウル。繁華街として有名な梨泰院（イテウォン）で、およそ300人の死傷者が出る事故が起きました。

事故現場は、梨泰院で有名なバーにつながる細い坂道。わずか3.2m×40mの小道に、ハロウィンで熱気を帯びた若者を中心に大量の人が詰めかけていました。

【事故現場となった坂道】

そして、何がきっかけかはわかりませんが、小道に殺到した人によって群衆雪崩が起きてしまったんです。狭い道に折り重なる大量の人、助けを求めて飛び交う悲鳴。

周囲はすぐ異常に気づき、駆け付けた救急隊ともに救助にあたりました。

しかし懸命な救助にも関わらず、154人死亡、重傷３名含む負傷者149人と想像を絶する被害と見られています（10/31　8時時点）。

追記　11/6

2022年11月6日時点で「死亡者156人、負傷者196人」になったことが判明しています。

その多くは、ハロウィンで梨泰院へ遊びに来ていた若者でした。中には、留学生など日本人女性２名（10代・20代）もいることもわかっています。

ハロウィンの空気にのせて盛り上がっていたはずの繁華街で、なぜ悪夢のような事故は起きてしまったのでしょうか。

事故の原因はハロウィンと有名人？阿鼻叫喚の現場で何が起きていたのか

事故現場は、ソウル市中心部に位置する地下鉄梨泰院駅近「ハミルトン・ホテル」横の小道でした。

幅3.2ｍ、全長40ｍほどで北から南へ下っており、バーなど飲食店もある道です。「裏路地」と呼ぶのがふさわしい狭い坂道で、およそ300人を巻き込む群衆雪崩は起きました。

将棋倒しと群衆雪崩の違い
  • 将棋倒し：中密度の場所で一方向（線状）に転倒する
  • 群衆雪崩：身動きがとれないほど高密度の場所で双方もみ合いになり、人の塊が大きくなるように転倒する

どちらも「雑踏で１～数名が転倒することで周囲を巻き込む事故」を指しますが、その場の人の多さ（密度）で区別されるようです。

事故当日は、コロナ流行による行動規制の多くが解除され、解放感あふれる久しぶりのハロウィン前夜。そのため、当時梨泰院へ押し寄せた人はおよそ13万人といわれています。

梨泰院駅近くは特別開けた場所というわけでもなく、事故現場や駅も含めどの道も人で人を洗うような混雑具合でした。

人に触れずに移動することは難しく、身長の低い人は体が浮いたまま流れに身を任せるほかなく、呼吸もやっとだったそうです。

事故現場である小道は北から南へ下っており、それぞれの東西に伸びる大きな道路へつながっています。

事故当時は北から南へ人が流れ込み、その過程で群衆雪崩が起きました。なぜ、群衆雪崩が起きるほど、小道に人が流れ込んでしまったのか？

 

明確な原因は判明していませんが、一部メディアでは「事故現場付近に有名人が現れたため」と報道されています。

有名人は人気ユーチューバーとも歌手とも言われていますが、現時点でははっきりとしていません。

  1. 有名人を一目見たいがために、すでに自由に動く隙もない密度の環境で押し合いが始まった
  2. 坂道の途中で誰かが転倒した
  3. 群衆雪崩が起きた
  4. 雪崩の層から逃れられず呼吸困難に

という流れだったのかもしれませんね。

死亡者の大半は雪崩の下敷きではなく、立ったまま雪崩から抜けられず圧死した可能性が高いと伝えられています。圧着性窒息死というそうです。

ソ・ジュンソク元国立科学捜査研究院院長は30日、本紙の電話取材に「死亡者のうち、かなりの数が『圧着性窒息死』と推定される。これは、立っている状態でも転倒した状態でも、姿勢とは無関係に起こる可能性がある」と語った。人間は肋骨（ろっこつ）と肋骨の間の筋肉と横隔膜を動かして呼吸をするが、今回の事故の犠牲者たちは、立ったまま四方八方から加えられた強い圧力のため、胸郭運動に必要な空間を確保できずに死亡したものだろう、と推定しているのだ。

【引用元】梨泰院圧死事故：「立ったまま圧死した犠牲者多い」証言複数…専門家推定の死因は「圧着性窒息死」（朝鮮日報日本語版） – Yahoo!ニュース

事故直後の最初の通報は22時9分、80件近い通報から救急車140台以上が駆け付けました。

また、通りがかった人が心臓マッサージをするなど救急隊と協力して一人でも多くの命を救おうとしていた様子が報じられています。

それでも、狭い道に5～6層に折り重なった人を助けることは容易ではなかったでしょう。押し合いの続く列の前が転倒したところで、後列の人がその状況に気づくことは難しいはずです。人の波は、前へ前へと進み続けます。

結果、折り重なる人は止まらず、雪崩の塊はどんどん大きくなり、多くの死傷者が出る事態となりました。

 

群衆雪崩の様子を見た人からは

「雪崩が起きても人の波は止まらなかった。人の死を感じて怖かった。」
「事故現場には泣き叫ぶ人も座り込む人もいた。阿鼻叫喚だった。」

と、事故現場の凄惨な状況が語られています。

一方で

「救急車の音は聞こえたが、騒ぎもお祭りの一部かと思った。」
「現場近くの飲食店は朝まで営業していた。」

など、ハロウィンの騒ぎで事故そのものが広く知られにくい状況でもあったようです。

死傷者の多くは10～20代だと報道されています。久しぶりの楽しいイベントのはずが、凄惨な事故につながるなど誰も想像できなかったでしょう。

 

しかし、ここで１つ疑問が生じます。

韓国だけじゃない？国内外でも起きている群衆雪崩事故

今回の事故は、群衆雪崩によって多くの命を失ったと見られています。

群衆雪崩の直接的な原因は判明していませんが、久方ぶりの規制のゆるいイベントに人が殺到することは事前に予測できたはず。

事故を防ぐような手だては、とられていなかったのでしょうか。

 

群衆雪崩による死傷者が出た事故は、韓国に限らず国内外で過去起きています。

過去に起きた群衆雪崩による事故

  • モスクワ群衆事故（1896年・ロシア・死亡者1389人）
  • イロコイ劇場火災（1903年・アメリカ・死亡者602人）
  •  バーンデン・パークの惨事（1946年・イギリス・死亡者33人、負傷者400人以上）
  • 彌彦神社事件（1956年・日本・死亡者124人）
  • 釜山市民運動場コンサート（1959年・韓国・死亡者67人）
  • 旧正月帰省時混雑による群衆事故（1960年・韓国・死亡者31人）
  • エスタディオ・ナシオナルの悲劇（1964年・ペルー・死亡者319人、負傷者500人）
  • アイブロックスの惨事（1971年・イギリス・死亡者66人、負傷者約200人）
  • ヒルズボロの悲劇（1989年・イギリス・死亡者96人、負傷者200人以上）
  • メッカ巡礼事故（1990年・サウジアラビア・死亡者1,426人）
  • 明石歩道橋事故（2001年・日本・死亡者11人・負傷者183人）
  • バクダードでの自爆テロ流言（2005年・イラク・死亡者965人）
  • ラブパレード群衆事故（2010年・ドイツ・死亡者21人、負傷者500人以上
  • プノンペン群衆事故（2010年・カンボジア・死亡者345人以上、負傷者300人以上）
  • メナー群衆事故（2015年・サウジアラビア・死亡者2,181人以上）
  • カンジュルハン・スタジアム群衆事故（2022年・インド・死亡者135人、負傷者500人以上）　etc

ざっと調べてみましたが、韓国では過去にも何度か群衆事故とよぶべき事故が起きていました。ですが、今回ほどの被害規模のものはなかったようですね。

もちろん他国の大規模被害を招いた群衆事故を受け、自国内でも都度対応はしていたと考えられます。

しかし、コロナ禍というイレギュラーから来場数を予測しにくい部分があったのかもしれません。

追記　11/1

梨泰院を管轄する龍山警察署では、ハロウィン以前から

「今年のハロウィンでは予想を超える人波による事故のおそれがある」

と、警察署内部で報告されていたそうです。しかし、実際に作成された警備運用計画上にその懸念は反映されませんでした。

近年は30～90人程度で警備していたところを、今年は137人までは増やしたようですが…それじゃ少なすぎますよね。しかも、その人員は犯罪防止や取り締まりをメインに配置。

他地域の警備やデモ対応に人出が割かれ、梨泰院の警備は手薄のまま当日を迎えたようです。

 

また、韓国警察には「主催者がいないイベントにおける雑踏警備（後述）に該当するような安全管理マニュアル」がありません。

韓国ではイベント期間中に1000人以上の来場者数を見込める場合、「災害および安全管理基本法」に基づいた安全管理計画を提出する必要があります。

今回のハロウィンイベントに主催者とよべる個人・団体はなく、ただ人が多く集まっただけ。

そのため、安全管理計画提出の対象外となっていたことも、事故を招く原因の一端だったのかもしれませんね。

日本でも群衆事故は何度か起きていますが、比較的記憶に新しいのは2001年の明石花火大会歩道橋事故ではないでしょうか。

2001年7月20日より明石市大蔵海岸にて「第32回明石市民夏まつり花火大会」が行われた。開催2日目となる21日の午後8時30分頃、西日本旅客鉄道（JR西日本）山陽本線（愛称：JR神戸線）朝霧駅南側の歩道橋において、駅から来た客と会場からの客が合流する南端で、1m2あたり13人から15人という異常な混雑となり、「群衆雪崩」が発生した。その際、周囲に知らせるために歩道橋の屋根上にまで登る人も続出した。

「11名が全身圧迫による呼吸窮迫症候群（圧死）等により死亡し，183名が傷害を負う」[1]被害を出す惨事となった。

【引用元】明石花火大会歩道橋事故 – Wikipedia

この事故では会場と朝霧駅間の移動手段が歩道橋のみだった他、事前の警備計画が不十分・不適切だったことが強く指摘されました。

同じ悲劇を繰り返すことのないよう法整備・改正がすすめられ、事件から4年後に雑踏警備業務が新設されています。

雑踏警備業務の定義や目的

雑踏警備業務とは、お祭りやイベントの会場、工事現場など不特定多数の人や車が集中する場所で雑踏事故を未然に防ぐ業務のことです。その仕事内容は大きく「車両誘導」と「歩行者安全確保」に分けられ、事故が発生した際には速やかに事態を収拾し、事故の拡大を防止します。

手を目立たせるために白い手袋を着用したり、誘導灯や警笛、紅白の旗などを使い、スムーズな誘導を行います。

【引用元】雑踏警備業務ではこんなことを行っています | ガードマンを手配する神奈川中央警備保障株式会社

この雑踏警備のおかげで、渋谷ハロウィンやワールドカップなど多くの人が密集する場所での群衆事故を未然に防げているんですね。

時折厳しい言葉が飛ぶことがあっても、それが誰かの命を守るための行動なのだと国民に理解が広がりつつあります。

韓国でも、今回の事故で入念な対応策をとることでしょう。人が密集するイベントは今後もあると思いますが、未然に事故を防ぐための対策をとってほしいですね。

今回の事故への声や意見

死亡者も負傷者も150人近く、その年齢層が10～20代中心であることもあり、日本国内からも多くの嘆きや悲しみの声が上がっています。

さらに、当初の速報では「約50人心肺停止」だったはずが、時間とともに死亡者が増えることに辛さを覚える人も多かったようです。

また、心臓マッサージを行う様子が多く出回ったことで、改めて救命措置の重要性に気づく人も多く見られました。

覚えておきたい正しい心臓マッサージの方法

心臓マッサージを教える救命講習の様子今回の事故では医療従事者のほかに、現場で多くの一般市民が心臓マッサージを行う様子が報道されました。

心臓マッサージとは

なんらかの理由により動かなくなった心臓の代わりに、手で心臓を繰り返し押すことで全身の臓器に血液を送る救命方法です。

心臓マッサージをすることで救命率やAEDの効果があがることが確認されています。

日本では、9月9日「救急の日」などに学校で心臓マッサージを学ぶ機会がもうけられています。また、外部講師を呼んで救命講習をひらいてくれる企業もありますね。

 

いざという時は来ない方がよいですが、知っておいて損はなし。

「昔のことでうろ覚え」「講習会のおさらいがしたい」という人も含め、正しい心臓マッサージについて覚えておきましょう。

心臓マッサージ（胸骨圧迫）の方法
  1. 倒れている人をあおむけにする
  2. 倒れた人の横にひざまずく
  3. 左右の乳頭のちょうど真ん中に片手をあてる
  4. もう片方の手を重ねて組む
  5. 両腕をまっすぐ伸ばして手のひらに体重をのせる
  6. 倒れた人の胸が4～5cm沈む程度に圧迫→元の高さに戻すを30回行う
  7. 心肺が蘇生or救急隊が到着するまで繰り返す

心臓マッサージのポイント

  • 原因にかかわらず、心停止（心肺停止）ならすぐ実践
  • 子どもに行う場合は胸が1/3程度沈む強さで
  • 手を組む時は上の手で下の手指を持ち上げるように
  • 押すときは躊躇わずに強く、しっかり体重をかけて
  • 胸を押すテンポは１分間に100～120回のペース（１秒に約2回）
  • 圧迫を繰り返す間は手のひらが胸から離れないように
  • 出血している場合は第三者に圧迫止血をしてもらいながら

心臓を再び動かすためのマッサージなので、躊躇わず、強く、速く行うことが重要です。

あばらを折ることを怖がらず、しっかり胸を押し込み、全身に血液を巡らせる意識を持って行ってください。

 

胸を押す正しいテンポは「アンパンマンやドラえもんの旧OPがちょうど良いペース」なことは、有名ですよね。

頭に思い浮かべながら、あるいは実際に口ずさみながら行うとよいでしょう。

ちなみに、海外ではこんなユニークな心臓マッサージ普及動画もあったりします。

この知識を使う場面がないに越したことはありませんが、もしかしたら誰かの命を救うことにつながるかもしれません。

まとめ

人混みが流れるスクランブル交差点あまりに多くの命がたった一夜で奪われ、まだ現実を受け止められない人も多くいると思います。

過ぎてしまったものが還らないとしても、もう二度と同じような事故が起きないよう願うばかりです。

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