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1歳の女の子がひき逃げで死亡!事故現場から逃げた犯人は誰?逃走理由や現場の状況などまとめ

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子どもは夏休みをむかえ、大人は仕事に励みつつも灼熱の太陽と不思議な開放感に包まれる8月初旬。あってはならない事件が、大阪市生野区の一角で起きました。

わずか1歳の女の子は、なぜ車に跳ねられてしまったのか。運転手はなぜ事故現場から逃げ出したのか?詳しくまとめました。

ひき逃げで亡くなったのは1歳の女の子!事件の経緯やひき逃げ犯についてまとめました

正面をぶつけてライトがへこんだ車ひき逃げで失われたのは、まだ1歳の女の子の命でした。

ひき逃げはなぜ起きてしまったのか?ひき逃げ犯が「逃げた」理由とは?事件の経緯や現場の状況などまとめました。

事件の経緯

2022年8月1日午前11時38分頃、1歳の女の子が亡くなりました。名前は、中山愛李(めい)ちゃん。

それは、ご両親含む家族6人で名古屋市から大阪へ観光に訪れていた最中に起きました。

人気観光地「大阪生野コリアタウン」を観光中、私道を走ってきた黒いワゴン車にはねられてしまったんです。愛李ちゃんはその後病院へ搬送され、死亡が確認されました。

まだ赤ちゃんに近い年齢の人間が車にはねられ、車の下敷きになっていた現場は騒然としたことが容易に想像できます。周辺のお店の人々も、騒ぎに店を飛び出してきたそうです。

愛李ちゃんをはねた黒いワゴン車もその場で停車し、車からは1人の男性が降りてきました。車の運転手です。通常であれば、ここで救護や警察への連絡をする場面ですよね。

 

しかし、運転手は事故直後にその場から車ごと逃げ、自主的に戻ることはありませんでした。

大阪コリアタウンってどんなところ?

事件現場の「大阪生野コリアタウン」は、大阪市生野区桃谷3~5丁目にまたがる3つの商店街から成る観光スポットです。

JR桃谷駅から徒歩15分程度で着ける500mほどの通りには飲食のほか、精肉店や韓国食材店、コスメやK-POPなど約120店舗が並んでいます。

さまざまな韓国文化へ触れられるとあって、修学旅行生など年間約200万人が訪れる人気観光地です。

大阪生野コリアタウンは東西500mほど続くエリアですが、一番狭いところは車1台通るのがやっと。

お店のものが私道にはみ出ている場所も多くあり、お世辞にも道幅の広い観光地とはいえないでしょう。

そのためか、午前10~12時と午後4~6時は車両通行禁止時間帯となっています。

 

愛李ちゃんと家族が事故にあった時刻は、いわゆる歩行者天国だったはずの観光地。それなのに、女の子は「ひき逃げ」にあって死亡しました。

いったい何故このようなことが起きたのでしょうか。

事件の犯人と「ひき逃げ」の理由

車の運転手が事故現場でやるべきことをせずに逃げたことで、人身事故は「ひき逃げ事件」に変わりました。

交通事故が起きた場合、運転手は

  • 運転を直ちに停止
  • 負傷者の有無を確認(負傷者がいる場合は救護)
  • 事故車両の移動など道路上の危険防止
  • 警察へ事故状況を報告
  • 警察が到着するまで現場で待つ

上記の措置を行わなければいけません。行わない場合は救護義務違反(ひき逃げ)となり、逮捕される可能性があります。

愛李ちゃんの母親が逃走車のナンバーを覚えていたことや防犯カメラ・目撃情報から、ひき逃げ犯と車は当日中に発見されました。

ひき逃げ車を運転していたのは、東大阪市に住む韓国籍の固城義和こと鄭仁煥(テイ ニンカン)容疑者(74)。過失運転致死やひき逃げなどの疑いで、1日夜に逮捕されています。

警察によると、

「車両通行禁止時間帯であることは知らなかった。」
「ひき逃げをしたことは間違いなく、車からは降りた。」
「降車時に子どもは見ていない。けがをさせた認識はない。」

とひき逃げの事実は認めつつも、容疑を一部否認しているそうです。

ひき逃げは認めるのに、なぜ救護義務を怠ってまで現場から逃走したのか?これについて警察の調べに対し、鄭容疑者は次のように話しています。

「車検と自賠責保険が切れた車に乗っていたので、逃げた。」

今回の事件に対する声や意見

車両通行禁止のルールを守っていれば、起きなかったはずの死亡事故。

さらに鄭容疑者が車検や自賠責の未更新を理由にその場から逃げた事実から、世間では怒りや哀悼の声が強くあがっています。

さらに、大阪生野コリアタウンからは

「数か月前まではコリアタウン入口に車進入防止のバリケードがあったのに、いつの間にかなくなっていた。」
「以前から車両通行禁止時間帯でも進入する車がいた。規制は守られておらず、警察にも伝えていた。」
「どうにかしないと危ないと思っていた。恐れていたことが起きてしまった。」

という声も。

商店街では今後全時間帯を車両通行禁止とし、バリケードの設置をする、とのことです。

 

本来なら防げたはずの事故、身勝手な都合で失われた命…二度とないよう、対策を尽くしてほしいですね。

自賠責?任意?免許がなくても知っておきたい保険の話

黄色の車に後方から衝突するオレンジの車今回、事故を起こした男性は「乗っていた車は、車検と自賠責保険が切れていた」と警察に話しました。

このことから「任意保険にも入っていなかったor期限切れだったのではないか」という声が散見しています。

事実はわかりませんが、確かに「自賠責切れの車が任意保険に問題なく加入しているとは考えにくい」ものですよね。

 

ところで、この話がピンとこない人、実はわりといるのではないでしょうか。

「お金がかかる」「生活上必要ない」などの理由から、自動車運転免許を取得しない・車を持たない選択をする人もいます。

そんな人にとって、自賠責保険など車関係の保険は日常生活でなかなか接点をもちにくい情報ですよね。

 

そこで、運転免許や車を持っていない人も知っておきたい車の保険について、まとめてみました。

自賠責保険は「自動車事故の被害者救済を目的とする」もの

自賠責保険は正式名称を「自動車損害賠償責任保険」といい、すべての車に加入が義務付けられている保険です。

交通事故が起きた時、当然ですが被害者の救済は加害者が負うことになります。その時、もし被害者救済に伴う経済的負担を加害者がまっとうできなかったら?

被害者は本来受けるべき補償が受けられなくなってしまいますよね。

加害者車両が自賠責未加入など無保険車だった場合、被害者は政府の保障事業を利用することができます。

政府の保障事業

国土交通省が加害者に代わって、被害者が受けた損害を立替払いしてくれる制度。

立て替えた分は、国土交通省から加害者へ賠償または償還を求めます。

そんな状況にさせないために、国は自賠責保険を強制保険としています。被害者救済が目的のため、運転者自身の傷害や物損事故は対象になりません。

自賠責保険で知っておきたいこと

  • 自賠法(自動車損害賠償保障法)に基づく
  • すべての自動車(原付含む)に強制加入義務がある
  • 自賠責保険未加入(or未更新)での運転は違法
  • 自賠責未加入車は車検を受けられない
  • 未加入(or未更新)で公道を走行した場合、50万円以下の罰金または1年以下の懲役
  • 未加入(or未更新)で公道を走行した場合、免許停止処分
  • 自賠責保険証未携帯で公道を走行した場合、30万円以下の罰金
  • 補償の対象は対人事故のみ
  • 自賠責の請求は加害者・被害者双方が可能
  • 被害者は仮渡金制度を利用できる
  • 被害者に重大な過失があった場合、減額されることもある
  • 自賠責保険料は固定(1年ごとに見直し)

自賠責保険は車検に必須なので、車購入時や車検更新時に加入または更新することが多いようです。

「自賠責保険は車を運転するために必須の保険」と覚えておきましょう。

 

なお、国土交通省ホームページには無保険車を見つけた場合に通報できる窓口が開設されています。

通報すると現在の状況を確認してくれるので、必要に応じて利用してみてください。

任意保険は「自賠責保険では足りない損害補償を補う」もの

一方、任意保険(自動車保険)は文字通り任意で加入する保険であり、強制保険ではありません。

多くの人は自賠責保険で補償できない部分のカバーを目的に、任意保険への加入を検討します。

「自賠責未加入なら任意保険も未加入の可能性が高い」のは、こういう理由なんですね。

任意保険でカバーできること

  • 対人賠償責任保険(事故の相手や同乗者への賠償)
  • 人身傷害保険(自分と同乗者への補償)
  • 対物賠償責任保険(事故時に破壊した物(の持ち主)への賠償)
  • 車両保険(自分の車への補償)
  • 弁護士費用特約
  • 運転者年齢特約
  • 他車運転危険補償特約 etc

その内容は多岐に渡り、自賠責保険にない対物や人身傷害・車両保険などに対応しています。

どの補償や特約をどこまでつけるかは本人次第なため、最低限の補償にしか加入せず、いざ事故の時に使えなかったなんてことも…。

かといって、過剰に入ればその分支払保険料は膨らんでしまいます。なかなか難しいですね。

 

補償範囲や特約の種類、運転者の年齢など保険料を決定づける要素がかなり多く、一概にいくらかかるともいえない任意保険。

加入の際は複数社検討するなど工夫し、万が一にうまく備えるのがよいでしょう。

まとめ

4車線を走る車たち車は、いまや人間の日常生活を保つために欠かせないツールです。しかし、人の命をたやすく奪える危うい存在でもあります。

生活の利便性を向上するために人の命を奪っては、まさに本末転倒。そうならないために多くの「ルール」があるということを、改めて肝に銘じていきたいですね。