ここ数年、記録的猛暑の日が容赦なく続きますね。この気候により、エアコンは生活必需品の域を超え、もはや「生命維持必需品」といっても差支えない家電となりました。
そんなエアコンについて、人気フリマアプリ「メルカリ」がある注意喚起を行ったことが話題になっています。
メルカリ、エアコンの出品・購入に注意喚起 「自分で設置・取り外ししないで」 破裂・発火の可能性もhttps://t.co/JzFuVgTOV7 pic.twitter.com/BLWEozlgaZ
— ITmedia NEWS (@itmedia_news) July 11, 2022
なぜメルカリは注意喚起を行ったのか?エアコンを自力で設置・取り外してはいけない理由とは?
一緒にみていきましょう。
エアコンの自力設置・取り外しは危険!メルカリが出品や購入に注意喚起をした理由
「エアコン DIY」で検索すると、このような趣旨の動画がたくさん出てきます。流行りのDIYに再生数が20万を超える動画もあり、それなりに需要があるのかもしれません。
しかし、今回呼びかけられた注意喚起の内容は、その世間の反応に一石を投じるものでした。
メルカリがエアコンの出品や購入に注意喚起!その内容は?
2022年7月7日、エアコンを出品・購入するメルカリ利用者に対し、メルカリ公式ブログはある注意喚起が発信されました。
タイトルは「エアコンを安全に出品・購入いただくために」。その内容は、大きく3つに分かれています。
1つ目は、
ということ。専門の知識や経験のない人が作業を行うと「エアコンの破裂や発火など重大な事故を招く可能性が高い」ことも、あわせて記載しています。
2つ目は、1つ目の内容に関連して
と、専門知識のない一般人による洗浄作業は控えるよう提言しています。こちらも「洗浄液が電気部品にかかることで破損や発火を起こす可能性がある」とのこと。
さらに、リコール対象としてメーカーから回収など対応が呼びかけられている製品と知らず、出品されてしまっている事態も危惧し、
と、3つ目の注意喚起として呼びかけられていました。
ここ数年の記録的猛暑によるエアコン需要の高まりからか、メルカリで「エアコン 本体」と検索すると多くのエアコン出品情報が…。
メルカリのような新品・中古品を出品者・購入者のやりとりのみで取引できる場所は、非常に手軽・便利で助かりますよね。
金額もお互いの任意で決まりますから、費用を節約するにはもってこいの場所です。
しかし、お互いの意思のみで決まってしまうフリマアプリは、専門的知識を持つ人の目が届きにくい場所でもあります。
本来注意事項など共有されるべき場面で、単純に物と金銭のやり取りだけで終わってしまう。その危うさについて、一般人の知識だけで気づくこともまた難しいでしょう。
このことから、フリマアプリ運営サイドからは度々多くの注意喚起が行われており、今回の呼びかけもその1つだったようです。
エアコンの自力設置・取り外しをしない方がいい理由
昨今、費用節約のためか「エアコンをDIYで修理しました!」といった動画が増えています。
家庭用ルームエアコンの取付・取り外し程度であれば、基本資格なしで行うことは可能です。絶対にオススメはできませんが…。
しかし、エアコンに関わる作業には電気工事士の資格がないとできないものも含まれます。つまり、本来総じて高い専門性が求められるもの。
専門知識や資格のない人によるエアコンの取付・取り外し・洗浄などの行為は、実は以前から推奨されていないんです。その主な理由は、次の3つ。
自力でのエアコンDIYがオススメできない3つの理由
- 電気系統から事故につながる可能性がある
- メーカー保証期間でも保証対象外になってしまう
- エアコンガスが抜けるなど不具合や故障の原因にも
この中で最も恐ろしいのは、メルカリも「重大な事故」と明言する破裂・発火・爆発事故です。
一度でも起きれば、エアコンどころか家屋・周辺の破壊や住人の怪我も招きかねません。
自力でエアコン工事をして実際に起きた事故(例)
- エアコンの取り外し中、本来真空であるはずの室外機内に大量の空気がはいり、室外機が破裂・負傷した
- エアコンの取付中、室内外機を接続する連絡線の処理を誤ったことで接続不良による接続部異常発熱が起き、発火した
- 自力で内部洗浄した際に意図せずエアコン内部の配線端子部に洗浄剤が付着、端子間でトラッキング現象が起き、使用中に出火、エアコンとその周囲を焼損させた
どの事故も、専門知識のある技術者が細心の注意を払って作業すれば避けられた事故です。これだけでも、自力でDIYしてはいけない十分な理由になりますよね。
また、専門知識のない人間は「工程外に起きた目に見えないミス」に気づくことができない可能性が高いです。
- 作業中、見えない位置にある配管をうっかり折っていた
- バルブを強く締めすぎて破損させていた
- 実は真空引きを失敗していて、ガスが充填できていなかった etc
これらのミスが内部パーツの交換や冷媒ガスの漏れにつながると、想像以上の高額修理になってしまうことも。
自力でのDIYは製品をメーカー保証対象外にしてしまいますから、もはやなんのために自力で行ったのかわかりません。
専門知識も資格も持たない一般人による無謀なDIYは、結局自分の首を締める行為になりかねないんですね。
エアコンの取付工事を安く済ませたいなら
費用の節約が目的であれば、プロに頼んだ方がどの面から見ても安く済むことは明らかです。素直に専門知識のあるプロに頼りましょう。
- 作業販売店
- 各メーカーのサービス窓口
- 専門業者
エアコン業者を選ぶ際のポイントは、料金の安さにとらわれすぎないこと。
一見最安値に見えても、実は最低限必要なオプションが別料金だったりします。口コミや実績を確認し、不安なことは遠慮なく質問した上でお願いしましょう。
あわせて、工事後のアフターケアなど保証期間についても確認しておくと安心ですよ。
エアコンは「つけっぱなし」の方が安いってほんと?
エアコンについて定期的に話題にあがる、こちらの疑問。
外出時にいちいち電源を切らない方が、あるいは丸1日つけっぱなしの方が電気代は安く済むのではないか?記録的猛暑のつづく昨今、なお気になる話かと思います。
結論からいえば、「エアコンの利用時間による」ようです。
エアコンで最も電気代がかかるのは、外気温と室温の差をなくそうとする時。つまり、「電源を入れてから室温が設定温度になるまで」が一番お金がかかるんです。
かといって、誰もいない室内を温めたり冷やすのはエアコンの無駄遣いであるのも紛れもない事実。
電源をいれた時ほどではなくとも、外気温との差が大きいほど室温の維持にもそれなりの電気代はかかります。
つけっぱなしとこまめな電源オンオフ、どちらを選べば電気代の節約につながるのか?その答えは、エアコンの利用時間にありました。
ダイキン工業株式会社の調査・検証によると、エアコンの電気代と利用時間の関係について次の事実が判明したそうです。
日中は、35分までの外出であれば、エアコンを「つけっぱなし」の方が安い。
夜は、18分までの外出であれば、エアコンを「つけっぱなし」の方が安い。
これらを一つの目安として、例えば日中は30分程度の外出ならエアコンをつけっぱなしにし、夜間はこまめに停止させるといった調整を行うことで、お得な運転が出来ると考えられます。
日中は30分以上の外出する時は電源を切り、それ以外はつけっぱなし。夜はそう外出機会はないですから、こまめにオンオフするのが良さそうです。
なお、長時間運転により稼働時間が長くなることで、エアコン自体の寿命が短くなる可能性があります。
何日つけっぱなしでも動作に支障はありませんが、1日でも長く使いたいなら総稼働時間のことも頭にいれておきたいですね。
エアコンの効率を保つためにできる2つの工夫
生命維持必需品とはいえ、電気代が生活を圧迫するのは避けたいところ。お財布を少しでも守るためにも、エアコンには最高のパフォーマンスで活躍してもらいたいですよね。
そこで、エアコンの効率を最良に保つためにできる2つの工夫について、詳しくまとめてみました。
まめに掃除する
エアコン内部は専門業者にお任せした方がいいですが、それ以外の部分については自分で掃除して大丈夫。むしろ、しないとまずい部分もあるので定期的にお掃除しておきましょう。
自分でやってもOK!エアコンの掃除方法
- フィルターの汚れを取り除く
- 吹き出し口とルーバーを拭く
掃除のタイミングは、
- シーズン開始前・終了時
- 使用中は月2~4回程度
がオススメです。エアコンの設置場所や使用時間によって汚れ具合は変わるので、エアコンの様子をみつつ掃除のスパンを調整してみてください。
室外機に日よけを設置する
夏、懸命に室内の熱を外へ放出してくれる室外機。実は直射日光をあびるなど室外機自体が熱くなると、本来の効率で熱を排出できなくなってしまいます。
すると、エアコンを本来の効きに戻すために余分な負荷がかかり、余計な電力=電気代もかかることに…。
本来のパフォーマンスで頑張ってもらうためにも、室外機を暑さから守ってあげることが重要です。室外機に日除けを設置し、直射日光と照り返しの熱を防いであげましょう。
室外機にオススメな日よけの種類
- 天板タイプ(アルミ・プラスチックなど)
- 箱タイプ(木製・アルミ製など)
- すだれ(ござ・グリーンカーテンなど)
どのタイプでもOKですが、共通して注意したいのは熱交換器をふさがないようにすること。熱交換器から送られる熱風がこもってしまうと、室外機の熱上昇につながります。
室外機が本来の力を発揮できるよう、うまく日よけを設置してみてください。
暖房使用時、室外機は室内の冷気を外へ放出します。
その際、室外機が冷えていればいるほど冷気を逃がす効率は下がってしまうので、直射日光を防いでしまう日除けは逆効果。
冬は日よけを外し、室外機に日光が当ててあげましょう。
まとめ
いまや「生命維持必需品」であるエアコン。生活に身近すぎるがゆえに、本来気にすべき大事なことが日々の意識から抜けてしまっている人は多いと思います。
怖い事故や不要な故障をさけるためにも、改めて正しい知識をもち、適切な行動を心がけていきたいですね。